性腺ホルモン
性腺ホルモン
エストラジオール(E2)
卵巣から分泌される女性ホルモンの一種で、無月経・無排卵症例および閉経から更年期における卵巣機能の評価、排卵誘発・卵巣刺激時における卵胞発育の評価、E2 製剤などを用いるホルモン補充療法の評価を行う際に測定されます。
基準値 (男性) :14.6-48.8 (pg/mL)
(女性) 卵胞期前期 : 28.8-196.8 (pg/mL)
卵胞期後期 : 28.8-196.8 (pg/mL)
排卵期 : 36.4-525.9 (pg/mL)
黄体期 : 44.1-491.9 (pg/mL)
閉経 : <47.0 (pg/mL)
★高値になる主な疾患
エストロゲン産生腫瘍、卵巣過剰刺激症候群、先天性副腎皮質過形成、多胎妊娠
★低値になる主な疾患
卵巣機能不全、卵巣低形成(無形成)、早発卵巣不全、低ゴナドトロピン症、神経性
食欲不振症、胎盤サルファターゼ欠損症、胎盤機能不全、無月経、黄体機能不全
★生理的変動
閉経で低値を示します。
プロゲステロン (黄体ホルモン)
卵巣と胎盤から分泌され、黄体機能や妊娠に深く関わる性ホルモンです。卵巣機能不全・不妊症診療において排卵および黄体の機能を評価する際、先天性副腎酵素欠損症の診断の際に測定されます。
基準値は、性差、女性は性周期や妊娠週数によって異なる為、記載していません。
★高値になる主な疾患
先天性副腎過形成、クッシング症候群
★低値になる主な疾患
アジソン病、間脳・下垂体機能不全、卵巣機能不全、無月経、無排卵
HCG (ヒト絨毛性ゴナドトロピン)
胎盤絨毛細胞から分泌される性腺刺激ホルモンです。妊娠の診断とその経過観察、流産や子宮外妊娠の補助診断、絨毛性疾患やHCG 産生腫瘍の術後管理などの際に測定されます。
基準値の設定はありません。
★高値になる主な疾患
絨毛性疾患、多胎妊娠、HCG 産生腫瘍
★低値になる主な疾患
流産、子宮外妊娠
尿中 HCG
妊娠の診断や絨毛性疾患の管理などに用いられます。
基準値 : 随時尿 ≦ 3.0(mIU/mL)
★高値になる主な疾患
妊娠、胞状奇胎、絨毛癌、異所性 HCG 産生腫瘍
★低値になる主な疾患
子宮外妊娠、流産、早産、胎児死亡
HCGβ(遊離 HCG-β)
ヒト絨毛性ゴナドトロピンに特異的な構造部分で、流産、子宮外妊娠の経過観察、絨毛性疾患の診断、治療効果および寛解の判定などの指標に用いられます。
基準値 : ≦ 0.1 (ng/mL)
★高値になる主な疾患
絨毛性疾患、多胎妊娠、胞状奇胎、睾丸腫瘍
テストステロン (TS)
男性ホルモンの一種で、男性の性腺機能異常の診断、女性では副腎腫瘍や卵巣腫瘍に伴う男性化徴候の診断の際に測定されます。
基準値 (男性) : 1.31-8.71 (ng/mL)
(女性) : 0.11-0.47 (ng/mL)
★高値になる主な疾患
精巣腫瘍、卵巣腫瘍、睾丸性女性化症候群、副腎性器症候群、副腎腫瘍、多嚢胞性卵巣
症候群
★低値になる主な疾患
性腺機能低下、無精巣症
フリーテストステロン
テストステロンの遊離型で、精巣のテストステロン分泌機能、視
床下部-下垂体系の機能異常に伴う精巣機能異常の診断の際に測
定されます。
基準値:年齢、性別により異なります。
★高値になる主な疾患
精巣腫瘍、卵巣腫瘍、睾丸性女性化症候群、副腎性器症候群、副腎腫瘍、多嚢胞性卵巣
症候群
★低値になる主な疾患
性腺機能低下、無精巣症
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