内分泌疾患

γ-GT

γ-GT

検査の目的

血清又は血漿中のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)を測定することにより、アルコール障害、薬剤性肝障害、胆道系疾患、閉塞性黄疸、肝内胆汁うっ滞などの診断、スクリーニング、経過把握を行う。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 男性:11~58U/L
 女性:6~46U/L

臨床的解釈

肝臓内ではγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)は肝細胞毛細胆管膜から胆管上皮に分布する。(本来、刷子縁酵素として腎尿細管、小腸微絨毛など微絨毛の存在するところにALPなどとともに局在する。)
肝胆疾患で血清中の活性が上昇するが、その機序は複数ある。アルコールや薬物は酵素誘導作用があり、肝内のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)蛋白量を増加させる。肝内胆汁うっ滞、閉塞性黄疸、肝内占拠性病変では、ALP、LAPなど他の肝胆道系酵素とともに上昇する。特に、閉塞性黄疸では全γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)活性の一部に高分子量のγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)が出現するが、これは細胞膜成分に結合したγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)と考えられる。また、肝細胞癌では癌特異的なγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)アイソザイムを認める例がある。
特殊な胆道閉塞の原因に、傍乳頭憩室(症候群)があり、腹痛から閉塞性黄疸まで多彩な症状を呈する。日常的な疾患であるにもかかわらず、日常見過ごされやすいので注意を要する。Ba透視または内視鏡(側視鏡がよい)で確定診断するが、腹部CT像が診断のきっかけになることも多い。
肝胆道系疾患以外では急性心筋梗塞、肺梗塞、てんかん、糖尿病でも上昇する。

可能性のある変動要因

飲酒によってもγ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GT)の上昇しない例がある。
個人差が大きいが、同一個人では、運動、食事の影響を受けず、日内変動もない。
女性は低値、小児や若年者も低め、新生児は高値。
抗てんかん薬、抗痙攣薬、向精神薬、睡眠薬、ステロイド薬などの投与で上昇。



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