内分泌疾患

尿素窒素

尿素窒素

検査の目的

血清中、血漿中及び尿中尿素窒素 (BUN) の測定を目的とする。
組織蛋白質や食事蛋白質の分解により生じたアミノ酸の脱アミノ反応により生じたアンモニアが、最終的に肝臓の尿素回路で代謝されて、尿素となる。血中に放出された尿素は、腎糸球体でろ過された後35~70%が尿細管で再吸収され、残りが尿中に排出される。
BUNの異常は、主に腎からの尿素排泄異常を反映しているが、腎外性因子にも強く影響を受ける。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 8~22mg/dL

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

 150mg/dL以上

臨床的解釈

BUN高値の原因としては、GFRの低下、特に代償不全の腎不全が臨床的に重要である。腎不全ではBUNの上昇と並行して血清クレアチニンが上昇し、BUN/クレアチニン比はほぼ10である。血清クレアチニンは筋肉成分の少ない高齢者や栄養状態の悪化などの状態を除いて、GFR以外の要因による影響を受けない。したがって、BUNと同時に血清クレアチニンを測定し評価をする。BUN/クレアチニン比が10から変化している場合には尿素の産生や腎尿細管での再吸収の変化による要因について考慮する。尿素の産生亢進や尿細管での再吸収亢進では、いずれも血清クレアチニンの上昇に対してBUNの上昇が著明でBUN/クレアチニン比が10以上となる。特に脱水症の場合に顕著である。一方、慢性腎不全の浸透圧利尿時や厳重な蛋白制限時、血液透析後などでは、血清クレアチニンの上昇に比してBUN上昇が軽度で、BUN/クレアチニン比が10以下となる。

可能性のある変動要因

BUN高値:尿毒症、高蛋白食、消化管出血、火傷・重症感染症などの消耗性疾患、甲状腺機能亢進症などの組織の異化亢進、脱水・尿路不完全閉塞などの尿細管での再吸収の亢進
BUN低値:低蛋白食、肝不全、蛋白同化ホルモンの大量投与、妊娠などの尿素産生の低下、尿細管での再吸収の低下



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