網膜症
網膜症
網膜とは、眼の奥(眼底と呼ばれる部分)一面に広がっている薄い膜のことです。瞳孔から入った光がこの網膜に像を描き、その情報が脳へ伝わることで、物の形や色が認識されます。
網膜には、細い血管がはりめぐらされています。糖尿病の治療が不十分な状態が続いていると、それらの血管が傷められ、「血管障害」が進行します。それが「網膜症」です。
網膜症になっても、実は、自覚症状がほとんどありません。自覚症状に現れないままさらに進行していきます。そしてあるとき突然、眼底出血や網膜剥離を起こします。その結果、視力が障害されてしまいます。
また、眼底の中央に位置している「黄斑〈おうはん〉」という部分の働きが障害される「黄斑症」というタイプの網膜症もあります。黄斑は網膜の中で視力に最も大きく関係する部分なので、黄斑症になると、病気の早い段階から視力が低下します。
こうした糖尿病網膜症による視覚障害は決して珍しいものではありません。成人の視覚障害者の5人に1人は、糖尿病網膜症によるものです。
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