内分泌疾患

総コレステロール

総コレステロール

検査の目的

血清又は血漿中の総コレステロールの測定を目的とする。
コレステロールは、リン脂質とともに細胞膜の構造脂質として重要な物質であり、またステロイドホルモン産生の原料などとなる。主に肝臓で生合成され、VLDLに組み込まれて末梢に運ばれ、代謝され生成したLDL中の主な脂質成分となっている。正常人ではLDL中にもっとも多く含有され、一部は末梢から肝へのコレステロール逆転送に関与するHDL中に存在している。血清コレステロール値は食物からの摂取、体内での生合成、胆汁酸や中性ステロールとして体外への排出という三者のバランスにより保たれている。
コレステロールの測定は、肝臓での合成・分泌の状態、胆管閉塞、腸管での吸収や栄養状態の一つの指標となり、また各種脂質代謝の異常の解明や動脈硬化の危険性の予知にも有用である。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 110~220mg/dL

臨床的解釈

上昇する疾患
末端肥大症、家族性LPL欠損症、家族性高コレステロール血症(IIa型)、家族性複合型高脂血症(Ⅱb型)、肝細胞癌、経口避妊薬服用、甲状腺機能低下症、糖尿病、下垂体機能低下症、閉塞性黄疸、Ⅲ型高リポ蛋白血症、肥満、ネフローゼ症候群、Zieve症候群、家族性CETP欠損症
減少する疾患
肝硬変、Addison病、Tangier病、悪液質、急性肝炎、甲状腺機能亢進症、消化不良症候群、低βリポ蛋白血症、無βリポタンパク血症、LCAT欠損症

可能性のある変動要因

生理的変動幅は小さい。
食事、ストレス、体位などで10%前後変動する。
ステロイド薬、経口避妊薬、β-遮断薬、サイアザイド系薬剤、アルコール、抗真菌薬(イミダゾール系)などで高値を示すことがある。



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