内分泌疾患

血糖自己測定

血糖自己測定 (SMBG)

 (SMBG:Self Monitoring of Blood Glucose)

 糖尿病の治療は、血糖のコントロールが基本です。しかし、血糖の動きは、厳密にいうと人によって全部異なり、また、いつも一定とは限りません。インスリンや経口薬などの薬を使っていると、その動きはさらに複雑になります。
そんな血糖を適正にコントロールするには、血糖の動きをモニターし、コントロールがきちんとできているかどうかを、チェックする必要があります。とくに、インスリン療法では、血糖の状態によって、インスリンや食事の調整が必要なため、きめ細かい血糖のチェックが必要です。
日常の生活でもそのチェックをできるようにしたのが、血糖自己測定です。医療機関でしかできなかった血糖測定を、自宅でも24時間いつでも測定でき、揺れ動く血糖をリアルタイムでとらえ、その血糖の値を治療にフィードバックする。このシステムが、より正常に近い、厳密なコントロールを可能にします。

血糖自己測定のメリット

(1) 日常生活と血糖値の相関関係が、リアルタイムでわかる
(2) きめの細かい適正なコントロールができる
(3) 効果的な自己注射療法(インスリン、インクレチン)ができる
(4) 急性、慢性の合併症の進展を防止できる
(5) 通院回数や入院を減らすことができる
(6) 良好なコントロールへの意欲が増す
(7) 病気に対する理解が深まり、治療への意欲がわく
(8) 安全な妊娠・出産が計画的にできる
(9) 日常生活の質が向上し、積極的に行動できる

一言でいうと、血糖が不安定な人すべてに、血糖自己測定は有効です。とくに、外からのインスリン補給(インスリン療法)が必要な患者さんは、1型、2型かかわらず、欠かせません。
経口薬療法の人、あるいは食事療法だけの人でも、治療効果が上がらない場合は、原因をさぐる有力な手段となります。また、さらに厳密なコントロールをめざす患者さんにも、血糖自己測定は、数々のメリットを与えてくれるでしょう。その意味では、すべての糖尿病の人にとって、有効な手段といえます。

血糖自己測定の実際

血糖は、食事、運動、ストレスなどで、とくに大きく変動します。

血糖測定を行う場合、ポイントがふたつあります。
ひとつは、コントロールの状態をチェックするために、1日24時間の血糖の動きを知る必要があること。もうひとつは、血糖は、食事、運動、ストレスなどで大きく変動するため、とくにこれらの影響を中心にチェックすることです。こうした点から、食事を中心に測定ポイントを設定した基本パターンもあります。
患者さんが100人いれば100通りの治療法があり、それによって測定の方法も異なるため、必ずしも基本パターンにこだわらず、自分に合った方法を、主治医と相談してみつけだすことが大切です。
処方のひとつとして、大体2〜4週間を単位として実施し、得られた結果を検討・修正していく方法が一般的です。また、コントロールが悪化した場合の緊急時の対応や、インスリン量や食事量などの調整は、おおよその許容範囲と具対策を、あらかじめ主治医と決めておきます。
実際に、思わぬ低血糖やコントロールの悪化などが起きた場合は、必ずその原因を考え、その後のコントロールに生かす姿勢が大切です。こうした試行錯誤を2、3カ月も繰り返すうち、自分の血糖の傾向やコントロールの加減が、だんだんつかめてくるものです。



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