内分泌疾患

遊離T3

遊離トリヨードサイロニン(遊離T3

検査の目的

血漿中の遊離トリヨードサイロニンの測定を目的とする。
甲状腺ホルモンであるトリヨードサイロニン(T3)は、甲状腺から分泌されているホルモンで、糖、蛋白、脂質の代謝を促進することで新陳代謝、交感神経の活動、体の成長や発達を促進する働きがある。
トリヨードサイロニン(T3)は、血中で約99%が甲状腺ホルモン結合蛋白と結合している。甲状腺ホルモン結合蛋白と結合しているT3は、体内でホルモンとしての作用は発揮せず、甲状腺ホルモン結合蛋白と結合していない約0.3%のT3、すなわち遊離トリヨードサイロニンがホルモンとしての作用を発揮する。
同じ甲状腺ホルモンであるT4はすべてが甲状腺から分泌されるが、T3は、甲状腺から分泌されるのは20%程度で、残りの約80%は、末梢組織でT4からT3へ変換されて作られる。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 2.3~4.0pg/mL

臨床的解釈

蛋白と結合しないFT3はわずか0.3%にすぎない。しかし、0.3%のFT3のみが細胞内に移行し、核内の甲状腺ホルモンレセプターに結合することでホルモン作用を発現するため、FT3は甲状腺機能および末梢でのT4代謝のより鋭敏な指標となる。また、T3はTBG濃度の影響を受けるが、FT3はこれらの影響を受けない。血中のFT3濃度の測定は、生体の甲状腺機能状態を知る指標として、また末梢組織におけるT4の代謝状態を知る指標としても重要である。

可能性のある変動要因

該当なし



検査項目説明に戻る

powered by HAIK 7.6.0
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional