ACTH
副腎皮質刺激ホルモン
(ACTH:Aadrenocorticotropic hormone)
検査の目的
血漿中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の測定
臨床参考値(最新)
7.2~63.3pg/mL
臨床的意義
ACTHは脳下垂体前葉で作られる39アミノ酸からなるペプチドホルモンで、副腎皮質細胞膜内上のACTH受容体(メラノコルチン受容体2)に結合し、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、副腎アンドロゲンの合成分泌を増加させる。
さらにACTHは皮膚melanocyteの色素沈着増加作用、脂肪細胞での脂肪分解作用、インスリンやGH分泌刺激作用、ステロイド代謝抑制作用などを持つ。
生理的ACTH分泌調節にかかわる上位中枢-視床下部-脳下垂体-副腎のいずれかに異常が生じるとACTH分泌に変化が生じる。
高値
副腎機能低下症(アジソン病、ネルソン症候群、先天性副腎皮質過形成など)、クッシング病、異所性ACTH産生症候群、うつ病、ストレス
低値
副腎性クッシング症候群、視床下部-下垂体性副腎機能低下症、ステロイド製剤使用
可能性のある変動要因
・午前4~8時で高値、午後10時~午前1時で最低値を示す
・真夜中から午前9時に10回前後のACTH分泌ピークが見られる
・乳幼児では日内変動が不明確である
・ストレスの影響で変動しやすい
患者準備,採取・提出上の注意
・氷冷し直ちに提出
・溶血していた場合、必要に応じて再採血
・凝固していた場合、必要に応じて再採血
◉ 早朝空腹時(午前6~9時)、30分以上の安静臥床後の採血が望ましい
検査項目説明に戻る