内分泌疾患

ALT

ALT

検査の目的

血清又は血漿中のALTの測定を目的とする。
ALTは主に肝細胞内に存在する酵素で、肝細胞の壊死、破壊によって血中に逸脱する。このたALT値の上昇は、その時期における肝細胞の壊死、破壊の程度を反映している。また、ALTの血中半減期は約41時間でASTの血中半減期は11~15時間であるため、持続的な肝細胞障害をきたす慢性肝炎や急性肝炎の終息値には、ALT>ASTとなる。
肝細胞の壊死、破壊の原因には、肝炎ウイルス、薬物、虚血などが挙げられる。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

8~42U/L

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

1000U/L以上

臨床的解釈

ASTは全身の臓器に分布し、ALTは主に肝臓、腎臓に分布するためAST、ALTを同時に測定し、AST/ALT比を求めることで病態把握することができる。AST/ALT比の基準は約0.87である。慢性肝障害では一般にAST/ALTであるが、活動性肝炎ではALT/ASTとなることが多い。

◎AST、ALT>500U/L , AST/ALT>0.87

 ※急性肝炎の回復期ではAST/ALT<0.87

急性肝炎の極期、重度のアルコール性肝炎の可能性が疑われる。
アルコール性肝炎ではAST/ALTが2.0近くまで上昇することが特徴的である。

◎AST、ALT:100~500U/L

急性肝細胞壊死の明らかな黄疸を伴わない軽症例や重症例の初期、回復期で認められる。慢性肝障害(慢性活動性肝炎、肝硬変、肝がん、閉塞性黄疸、胆道系疾患など)でも認められる。

◎AST:100~500U/L , ALT100U/L以下

慢性肝障害または心筋梗塞や進行性キンジストロフィーおよび広範な皮膚筋炎

◎AST、ALT<100U/L

急性肝炎の初期または回復期。激しい運動時、アルコール摂取時でも軽度上昇する。

可能性のある変動要因

男性>女性
日内変動、日差変動はない。
運動負荷によって50IU/L程度まで上昇する。
立位>安静臥位 安静臥位の約10%増しとなる。
新生児期には成人値の約2~3倍高値を示し、3歳頃までに成人値まで戻る。
溶血でやや上昇する。
4℃保存下で1週間安定。-80℃で1ヶ月安定。



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