内分泌疾患

HDLコレステロール

HDLコレステロール

検査の目的

血清又は血漿中のHDL-コレステロールの測定を目的とする。
動脈硬化性疾患、特に虚血性心疾患の成因に関して、脂質異常症は最も科学的根拠の確立した危険因子である。
HDL(高密度リポ蛋白)は末梢細胞に蓄積したコレステロールを引き抜くことで、動脈硬化症の予防的役割をはたしている。低HDL血症では虚血性心疾患の発症頻度が増加する。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 男性:30~68mg/dL
 女性:37~84mg/dL

臨床的解釈

HDL(高比重リポ蛋白)は末梢から肝臓へのコレステロールの逆転送に重要な役割を果している。HDLは抗動脈硬化作用を有し,冠動脈疾患の防御因子として重要であり,低HDL-C血症は冠動脈疾患の主要なリスクファクターの一つに数えられている。
HDLは主に肝臓,腸管で合成されタンパク質50%、脂質50%から構成され、脂質はさらにリン脂質23%、コレステロール20%、トリグリセライド5%などから成っている。主要なアポタンパクはアポA-Ⅰ,A-Ⅱである。
HDL-Cの測定はこのHDL分画中のコレステロールを測定し、HDLの総量および組成について知るための検査である。よって動脈硬化性疾患における危険因子の検査や脂質代謝異常が想定されるときに有用である。
一次性に上昇する疾患はCETP欠損症、家族性高αリポ蛋白血症
二次性に上昇する疾患はアルコール多飲、原発性胆汁性肝硬変、閉塞性肺疾患
一次性に減少する疾患はTangier病、LPL欠損症、LCAT 欠損症、アポA -1 異常症
二次性に減少する疾患は冠動脈硬化症、薬物投与、ネフローゼ症候群、慢性血液透析、肥満、糖尿病、高リポ蛋白血症、肝硬変、甲状腺機能異常、慢性腎不全

可能性のある変動要因

エストロゲンの影響により男性より女性のほうが高値を示すが、閉経後はほぼ同じ値を示す



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