内分泌疾患

TSH

甲状腺刺激ホルモン

TSH(Thyroid stimulating hormone)

検査の目的

血漿中のTSHの測定を目的とする。
甲状腺刺激ホルモン(TSH:Thyroid stimulating hormone)は下垂体前葉のTSH産生細胞で合成、分泌される糖蛋白ホルモンでαとβの2つのサブユニットからなり、αは黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)に共通である。TSH分泌は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)によって刺激され、甲状腺ホルモンによってネガティブフィードバック抑制を受ける。このフィードバック調節は鋭敏で、甲状腺ホルモンの分泌が僅かに亢進しているが血中甲状腺ホルモン値が基準値を超えないような状態でも、TSHは低値となり、逆に甲状腺ホルモンの僅かな分泌低下でも高値となる。このようなTSHの分泌の変化は、TRHに対するTSHの反応を見ればさらに明確になる。日常の臨床において、TSHの異常はこのフィードバック系を介しての甲状腺ホルモンの分泌異常による続発性のものが多く、TSH値の異常を見た場合には、まず甲状腺原発疾患を疑う。甲状腺に異常が無い場合には、下垂体や視床下部の疾患の可能性があり、他の下垂体ホルモンの分泌動態や画像診断が重要となってくる。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 0.523~4.19μIU/mL

臨床的解釈

甲状腺刺激ホルモンは全身の諸臓器に作用し、個体の成長、発育に重要。またエネルギー産生や様々な代謝、循環器系の調節なども司る。
分泌過剰症状:全身倦怠感、頻脈、心房細動、食欲亢進、無月経、近位筋の筋力低下、深部腱反射亢進、手指振戦
分泌低下症状:易疲労感、発汗低下、皮膚乾燥、食欲低下、月経過多、粘液水腫、嗄声、筋力低下

可能性のある変動要因

該当なし



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