eGFR
eGFR(estimated glemerular filtration rate)
eGFR(推算糸球体濾過値)とは
腎臓では糸球体と呼ばれるところで、血液を濾過して尿を作っています。糸球体で濾過される量が糸球体濾過量(GFR)で腎臓の働き具合を示す数字です。
腎臓の働き(腎機能)が悪くなると、糸球体濾過量は低くなります。
正確に糸球体の濾過機能を測定するためには、クリアランス検査というものが必要です。
クレアチニンやイヌリンという物質がある一定時間の尿の中にどのくらい排泄され、どのくらい血液の中に残っているかを測定して、濾過機能を評価するものです。
正確性は高いのですが、24時間もしくは2時間の尿を溜める必要があり、簡単にはできない検査です。
そこで、多くの人のクリアランス検査の結果を利用して作られたのが、eGFR(推算糸球体濾過値(estimated glemerular filtration rate))というものです。
腎臓が老廃物を排泄する能力を調べる検査で、慢性腎臓病(CKD)の診断、重症度判定に用いられます。
◉ eGFRは、年齢、性別、血清クレアチニン値(または血清シスタチンC値)を用いて
推算糸球体濾過値を推算します。
【eGFRの計算式】
194×血清Cr-1.094×年齢-0.287(女性の場合は×0.739)''
この検査で疑われる病気
低値:慢性腎臓病(CKD)
① CKDではありません。しかしCKDは自覚症状がありませんので、年に1回程度、健康
診断などでCKDのスクリーニング検査(検尿と採血)を受けて、CKDの早期発見に
努めましょう。
② 蛋白尿が2+以上の場合、血尿と蛋白尿がともに陽性の場合には、腎臓専門医への受診が
必要な場合があります。かかりつけ医の先生と相談していただくと良いでしょう。
③ CKDが疑われますので、医療機関を受診しましょう。
CKDの人は透析治療を要する重症な腎不全の予備軍であり、狭心症、心筋梗塞や脳卒中
などの心血管疾患にかかりやすいことが分かっています。
同年齢の方と比較して腎臓機能が低下している場合(40歳未満ではGFR60未満、70歳
未満ではGFR50未満など)、蛋白尿が2+以上の場合、血尿と蛋白尿がともに陽性の
場合、のいずれかにあてはまる人は、腎臓専門医への受診がすすめられます。
④ CKDが強く疑われますので、速やかに医療機関を受診しましょう。
この段階では多くの場合、腎臓専門医への受診が必要と考えられます。
⑤ CKDであり、腎臓機能低下によって生じるさまざまな異常(貧血、ミネラル異常、骨の
異常など)を合併している可能性が高いので、すぐに腎臓専門医へ受診しましょう。
⑥ 透析治療などを要する直前の状態ですので、すぐに医療機関を受診しましょう。
この段階では、腎臓専門医による治療が必要です。腎臓機能低下によって生じるさま
ざまな異常(貧血、ミネラル異常、骨の異常など)を合併している場合がほとんどで
あり、その治療が必要です。
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