内分泌疾患

尿酸

尿酸

検査の目的

血清中、血漿中又は尿中の尿酸の測定。
尿酸は、プリン体の最終代謝産物で腎糸球体から濾過され、ほとんどが尿細管で再吸収されるが、一部は再び尿細管中に分泌されて尿中に排泄される。体内尿酸が過剰な状態では、関節滑膜や腎尿細管に尿酸ナトリウム結晶が形成され沈着するため、痛風、関節炎、痛風腎を発症する。尿酸値の測定はプリン体代謝異常や腎機能障害の診断に有用な検査である。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 血清及び血漿中の尿酸濃度 : 男性 4.0~7.0 mg/dL
              : 女性 3.0~5.5 mg/dL
 尿中の尿酸濃度      : 0.4~1.2 g/day

臨床的解釈

血漿中での尿酸ナトリウムの飽和濃度は6.8mg/dlであり、その濃度を超えると尿酸結晶が析出する可能性がある。血清尿酸値は、尿酸産生量と腎臓からの排泄量によって決まる。尿酸はプリン体の最終産物であるので、プリン体産生が多くなると尿酸産生も亢進する。プリン体は血液腫瘍(白血病、悪性リンパ腫、慢性骨髄異形成症候群など)や充実性腫瘍(肉腫、乳癌など)、組織破壊亢進(溶血性貧血、横紋筋融解症など)、薬剤(抗腫瘍薬、テオフィリン)で増加する。またプリン体のサルベージ経路の異常でも尿酸値は影響を受ける。尿酸生合成酵素欠損症で低尿酸血症になる。

可能性のある変動要因

男性は女性より1~2mg/dl高い。女性は閉経以降上昇。絶食、脱水、強い運動、大量飲酒で高値。
サイアザイド系利尿薬、ピラミナミド、エンサンドトール、シクロスポリンAなどは、腎蔵からの排泄を抑制させ、尿酸を上昇させる。
尿酸排泄薬/生産抑制薬、サリチル酸、アセトヘキサミドなどは排泄を増加させ尿酸を低下させる。



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