内分泌疾患

Na

Na(ナトリウム

検査の目的

血清又は血漿中のナトリウムの測定を目的とする。
細胞外液中の浸透圧活性物質の95%以上は、Naとそれに随伴する陰イオン(ClとHCO3-)とで占められるので、NaとClは細胞外液の量と浸透圧を規定する重要な因子である。一方、細胞外液と細胞内液の組成は著しく異なるが、水は細胞膜を自由に通過し得るので、細胞内外の浸透圧は等しい。そのため、血清Na濃度は全体液浸透圧の指標となる。したがって、NaとClの血清濃度や尿中排泄量を測定することにより、体液の量や浸透圧の維持機構ならびに酸塩基平衡調節系の病態の把握に有用である。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 138~148mmol/L

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

 125mmol/L以下、160mmol/L以上

臨床的解釈

血清Na濃度は体内Na総量と体内水分量との割合で決まる。Na濃度異常は直ちにNa過剰や欠乏を意味するものではなく、実は水とNaの量の相対的な異常により生ずる。むしろ水代謝の異常という側面が大きい。たとえば、低Na血症の病態の本質は、腎での尿希釈の障害のため自由水の排泄が抑制され水が相対的に過剰になることによる。ADH分泌異常症候群(SIADH)や循環血漿量の低下(脱水、心不全など)などADH分泌が増加する病態が根底にあることが多い。一方、グルココルチコイドは腎集合管の水透過性を正常に抑制するのに役立つと考えられており、この欠乏症では水の再吸収が亢進して水利尿が制限され低Na血症を引き起こす。

可能性のある変動要因

採血後全血のまま放置するとNaは濃度の低い細胞内に移行し、血清濃度は低下する。
EDTA-2NaまたはヘパリンNaで採取した検体でのNaの測定は不適当である。
血清は冷蔵・冷凍ともに安定である。



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