内分泌疾患

赤血球数

赤血球数

検査の目的

 血液中の赤血球は、肺で酸素を取り込み、全身の細胞に酸素を供給する役割を担っている。本検査は、血液中1µLあたりの赤血球数を測定し、貧血や多血症の判定に役立てている。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

生物学的基準範囲又は臨床判断値

臨床的解釈 

(1) 生理的変動
 1) 採血時間、季節、気候、食事などによる変動は比較的少ない。したがって同一個人
  での変動は少ない。高地居住など酸素分圧低下により赤血球増加がみられる。
 2) 大量の発汗、水分摂取制限で循環血漿量減少により赤血球数増加がみられる、妊娠
  後期では循環血漿量増加により赤血球数減少がみられる。
(2) 評価基準
 1) 生下時はかなり高い値を示すが生後急速に低下する。小児期には成人よりも低い値を
  示し性差はみられない。
 2) 老人は一般に成人より低い値を示すことが多い。
 3) 正常よりも低下する病態の多くは貧血であるが、水血症のこともある。貧血をきたす
  疾患は血液疾患以外にも多くみられる。鉄欠乏性貧血では必ずしも赤血球数低下が
  みられないことがあるので注意する。
 4) 正常より増加している場合、多血症または脱水である。真性多血症以外にストレス
  多血症など二次性多血症がある。
(3) 臨床的意義
 1) 日常的には赤血球減少である貧血に遭遇することが多い。赤血球数のみでは貧血の
  種類のスクリーニングは困難である。ヘモグロビン、ヘマトクリット、網赤血球数
  などと合わせて総合的に判断する必要がある。場合によっては白血球数血小板数
  も考慮する。
 2) 赤血球増加症は循環血漿量減少でもみられるので注意が必要である

可能性のある変動要因

(1) 採血条件
 1) 検体の凝固:正しく測定できない可能性がある。
 2) 駆血後、採血に時間がかかった場合:偽高値を示すことがある。
 3) 採血時のクレンチング:偽高値を示すことがある。
 4) 輸液混入:希釈による偽低値を示す。
(2) 検体に由来するもの
 1) 偽高値を示す
  ① 大型血小板・巨大血小板の出現
  ② 血小板凝集
  ③ 白血病などの著しい白血球増多
 2) 偽低値を示す
  ① 小型赤血球(特に重症熱傷など)
(3) 患者の生理的変動
 1) 高値を示す
  ① 脱水(熱中症、尿崩症など)
  ② ストレス
  ③ 喫煙
  ④ 新生児
  ⑤ 運動
  ⑥ 循環器疾患(特に、心室中隔欠損など、AVシャントのある患者)
 2) 低値を示す
  ① 月経時
  ② 妊娠(妊婦水血症)
  ③ 多飲(糖尿病やストレスなど)



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