★ 採血前に安静が大事な検査
★ 採血前に安静が大事な検査
特殊な検査を除き、ほとんどの採血は早朝安静空腹時が原則となっています。
運動や体位、 採血時間などにおいて、検査値に影響する項目があるからです。入院患者においては、早朝 空腹時にベッドに寝た状態(臥位)で採血しますので、問題はありませんが、外来患者は、 なかなか早朝空腹というわけにはいかず、また、体位も椅子に座って(座位)、ベッドや ストレチャーに寝た状態(臥位)などで採血をしますので統一はできていません。 しかし必ず採血前に安静にしなくてはならないのは、ホルモン検査です。
15 分安静後採血と書かれている項目がいくつかあります。 日常よく検査する項目は、レニン活性、アルドステロン、カテコ-ルアミン、コルチゾール などです。これら項目は、特に体位や身体活動に鋭敏な検査だからです。
採血する体位(立位、臥位)によって、正常値が違っている項目もあります。 また身体的精神的ストレスや、歩き回っただけで影響のでる項目もあります。
理想は採血前に 30 分間横になって安静にして頂きたいのですが、外来のベッドの使用頻度 もあり、せめて 15 分安静にした後、採血と書かれているのは、必ず厳守をお願いします。
1 体位によって正常値が違う検査項目
レニン活性(PRA)臥位 0.3~2.9 立位 0.3~5.4ng/ml/hr
アルドステロン 随時 35.7~240 臥位 29.9~159
立位 38.9~307pg/ml
2 ストレスを受けると上昇する検査項目
ACTH(副腎皮質刺激ホルルモン)コルチゾール、カテコールアミン(副腎髄質ホルモン)
他にも、食後 6 時間ぐらいまでは、乳ビ(カイロミクロン)により中性脂肪が高くなります。 コーヒーは、カフェインによりカテコールアミンの分泌が増加し遊離脂肪酸が上昇します。 アルコール摂取直後は乳酸と尿酸が増加します。タバコの影響は、ニコチンによりカテコー ルアミンとコルチゾールの分泌が亢進し、抗利尿ホルモン(ADH)分泌を刺激し数倍~十倍 に上昇するので、採血前は禁煙が重要です。